第七章 刺王僚専諸学芸 図覇業闔閭立国
公子光は専諸をこの上ない礼儀で招待した。
公子光は:“まさか貴様は天命受けて、私を助けに来たじゃないでしょうか。”
専諸:“先王の余昧が亡くなり、その子の王僚は王位に就く、道理に合うと思いますが、なぜ殺害しなければならないでしょうか。”と、直接聞き込んだ。
“祖父の寿夢は四つの子がいました。長男は諸樊と言い、私の父親であります。次男は余祭、三男は余昧、今の呉王王僚の父親であり、四男は季札です。
季札はとても賢明な人で、呉の人々に敬愛されていますので、祖父寿夢が亡くなる前に、「兄弟順番で国王の王位を受け継ぎ、最後は是非季礼に受け継がせよ」と遺書を書き残しました。
余昧は亡くなる時、王位を季札に譲りたかったが、季札は、『王位を継承すべき人は長男である』と言って断って、外国に逃げました。しかし、寿夢の長男は諸樊であり、諸樊の長男は私であります!余昧の息子の王僚は季札の代わりに国王になる権利はどこにありますか?!
私はこの件に力が足りなくて、刀、剣間の事変を把握できません、勇気のある同士と結ばないといつごろから私の夢を作れるんでしょうか。私も季礼の代わりに王位に就きますが、季札様が帰国したら、私は必ず王位を譲ります。”
“しかし、公子様はなぜ身内の大臣に頼んで、王僚の前でゆっくりと事情を説明し、先王の遺言を述べることをしないでしょうか。刺客を用意し、成功だとしても、先王の仁徳を汚すじゃないでしょうか。”と、専諸は聞いた。
“王僚という人は、義を知らず、権力と富を貪りで、話で分かる人物ではありません。”
“公子様はよく他人にこの話をしました?私は公子様にいったい何に役立つでしょうか。”
“この話は我が呉国の機密で、いままで誰にも言いませんでした。私はどうにも出来ませんので、あなた様はお力を貸していただければありがたいと思います。”
専諸は公子光の話を聞いて、長く長く考えて、決意した:“信用していただければ、任せてください!”
“ところで、今はまだ時ではありません。”
“国王を暗殺したいなら、事前にその国王の習慣や好みを把握しなければならないと聞いたことがありますが、王僚はなにか好みとかありますでしょうか。”
“おいしいものが好みです。”
“一番好きな食べ物は何でしょうか。”
“焼き魚が大好物です。”
“分かりました。”
専諸は呉都を離れ、太湖で有名な魚の調理師を探し、一筋で焼き魚の技を勉強し始めた。
コツと言えば、海魚と違って、川の魚は泥臭みが重い。網で取り上げた魚は逃げまわすため川の泥を一杯飲み込んだので、上品な魚料理の素材にはならない。針で釣った魚は一番きれいで、傷つけないように早くお盆に入れて毎日新鮮な水を交換し、泥を吐かせる。調理するとき、鱗を丁寧に剥きとって、先に内臓を切り取ってはいけない。川魚の秘密は、血を残ったまま調理するのが大事だ。軽く油揚げてから、内臓をきれいに掃除する。まだ魚の背骨には細長い筋が有って、うまく取り外さないと隠し臭みがせっかくの香りを壊す。
焼く火の加減も大切。火が強すぎると熱が浸透せず、外が焦げても、中は生。火が弱すぎると、香りが半減し、歯応えも悪い。また季節によって、魚のおいしい部分も違う:春の魚は冬眠から蘇って、かなり痩せていて、一番まずい。夏の魚は活発に泳いで、尾とヒレの部分はおいしい。秋になると、冬眠の準備で魚は太くて、どの部分もおいしく食べられる。
釣りとしては、魚の習性を理解して釣り針を入れる:春の暖かさを求めて、魚は水面の近くで泳ぐ;夏に涼しさを求めて魚は川底のとことに深く潜む;秋に餌を求めて、岸側に寄る。
魚類は、海より川のほうがずっとおいしい。海から捕った魚はすぐ死んでいき、その新鮮さがまず川魚に負ける。だから昔から沿海の人は海から捕った魚や海老や蟹を安く売って、また高く川魚を買う習慣がある。
専諸はその知識を一々覚えて、繰り返し繰り返し練習した。半年立って、やっとその技を身につけて、焼いた魚は色、香り、味がそろって、天下絶品の料理になった。
専諸は公子光のところに戻り、行動の時期を待つ。
王僚十二年冬、楚平王は亡くなった。秦女と産んだ息子を王位に継ぎ、楚昭王である。
伍子胥その消息を聞いて、太子勝に言った:
“復讐の前に、楚平王が死んでいました。しかし、楚国はまだあるから、悲しむ必要が無いでしょう。”
太子勝は黙っていて、沈黙し続けた。
それを見て、太子勝も大器にならんと分かって、子胥は退き、密かに泣いてしまった。
翌日、子胥は公子光に言った:
“何年間も計画したことは、今施行できるでしょう。王僚に、楚平王の葬式の混乱を利用し、出兵させると進めれば、呉国の警備を弱めて、好機を探してやれば無難でしょう。”
こうして、王僚十三年春、王僚は二人の弟蓋余と燭傭に命じて、楚に出兵した。
蓋余と燭傭二人は居巣城と鐘離城から楚の首都を目指し、出発したが、楚の将軍龍成に奇襲され、包囲された。進むのも撤退するのも出来ない状態に陥った。
伍子胥は公子光に言った:
“やりましょう。王僚の二人の兄弟は楚に包囲されて、勝負吉凶も断定できない時期で、専諸に頼んだ使命はこのときもう緊迫しています。公子様是非この機会を把握してくださるように。”
専諸も公子を説得した:
“いまは王僚を殺す好機であります。王僚の母親は年取って、息子は衛国で勉強して帰ってないし、二人の弟は楚に囲まれて、一時脱出できないでしょう。朝廷には忠実な大臣もいません。我々は行動したら誰も阻止できないでしょう。”
四月、公子光は家に武士を沢山隠して、宴席を用意して、王僚を誘った:
“我が家の調理師は天下絶品の焼き魚が作れます。今日は宴会を用意しましたので、大王様は是非いらっしゃるようお願いいたします。”
王僚は母親に報告した:“公子光は宴会を用意し、私を誘いましたが、何か異変が無いでしょうか。”
母親は答えた:“公子光は心に常に不服して、顔にはよく屈辱、嫌悪な表情をしている。気をつけなければ成らないでしょう。”
呉王僚は三枚の棠鉄で作った冑衣を着替えして、王宮から公子光の家まで警備の武士を並べて、公子光の玄関、庭、部屋にも武士を立たせて、座りの左右両側には戟を持つ武士が王様を守っている。
酒を飲む最中、公子光は立って、呉王僚に:
“次は幻の焼き魚を王様に捧げますので、私は自らその調理具合を見に行きます。”と言って、その場を離れ、地下室に隠れた。
専諸は魚を焼き上がって、密かに魚腸剣を焼き魚の腹中に隠して、宴会のところに持って入った。
すぐ武士たちに検査されて、身には何の武器が無いため通過させた。
専諸は魚を呉王の食卓に置いた。
呉王はまさか焼き魚の鑑定士である。その魚を見ると、焦げ目がある金色で、火力が奥まで浸透しただろう、魚の脂肪油が少し滲み出した。遠くまで香りが漂い、近くで嗅いだら調味料の匂いが無く、完全に魚の香りがする。
“これは素晴らしい絶品料理だね!美味しそう~~!”呉王は思わず体を前に傾け、賛嘆した。
“特別な方法で召し上がれば、もっと美味しいと思いますが。”専諸は言いながら、腰を下ろし、ゆっくりと手で魚を開いて、短剣が現れた。
その瞬間、専諸はさっと魚腸剣を右手にし、左手で魚を捨て、その勢いで呉王の心臓に刺し出した。
呉王両側の武士が異変に驚いて、戟で専諸の胸に刺しつけて、骨が折って胸が切り開けた。
しかし、専諸の短剣も止まらず呉王の冑を貫通し、心臓に刺し込んだ。
呉王と専諸は即死。
室内は大混乱して、公子光の武士たちは飛び出して攻撃し始めた。
冑を身につけた伍子胥も矛を取って、呉王の部下に叫んだ:
“お前らの呉王はもう死んでいだ!抵抗をやめろ!今から新しい呉王は公子光様である!”
全員静かになって、戦いをやめた。
すると、公子光は伍子胥と白喜と武士たちに守られて、王宮に入った。
公子光は呉国の王様に自立して、闔閭と称する。専諸の息子を呉に迎えて、朝廷の大臣にした。
事変を聞いて、季札も帰国した。闔閭は王位を譲ろうとしたが、季札は:“誰かを憎んではいけません。死んでいた人を哀悼して、生きている人に奉仕し、天命に従うべきであります。今の混乱は私のせいではなく、国王に服従するのは我が先祖からの戒めです。”と言って、泣きながら王僚の墓で祭ってから、呉に定住し、新王の任命を待つ。
王僚の二人兄弟は事変を聞いて、兵士を率いて龍成将軍に降伏した。楚昭王はその二人を楚の舒邑に安置した。
闔閭元年、呉王闔閭は賢明な人材を採用し、広く恩恵を施行して、仁義の道を奉行する。間もなく、諸候の間で名を立てて、各地から有能の人材も呉に来ている。
呉国の人々が不服すると心配して、呉王はすぐ伍子胥を大臣にしなかった。旅人と任命して、最高の賓客として接していて、国家政治の相談役にしている。
呉王は伍子胥に聞いた:“私は国家を強盛したくて、覇者の事業を目指したいが、どこから始まればよろしい?”
伍子胥:“私は楚国の罪人で、父兄を見捨てて、今も父兄の屍骨を安葬出来ず、魂を祭ることが出来ません。罪を負って屈辱を受けて、やっと大王様の所に帰順しました私は、国家政治の参加をする勇気がございません。”
驚いた呉王は、“先生が居なかったら、私は今も王僚の従者に過ぎないでしょう。先生のご指導とお陰で、私は今の局面を作りました。なぜか途中で先生は突然退隠したいと思っているんですか?”
伍子胥:“謀議の人は自分の立場を理解しないと危険です。憂患が無くなり、国家安定したら、謀議の大臣も国王に信用されなくなるでしょう。”
呉王:“そうではありません。先生以外に、私は誰と国家政治を相談できるでしょうか。呉国は諸国から離れて、東南地域は地形凸凹不平、気候が不安定で、毎年揚子江と黄河と海の水害に悩まされて居ます。国内は敵を防ぐ城もないし、米の倉庫が充満していない、田地も沢山耕されていません。こんな状況では私は何をすればよろしいでしょうか。”
長く長く考えて、伍子胥は答えた:“まず国家を安定させて、人民に豊かな生活をさせてから覇業を考えればよろしいでしょう。周りの隣国を征服すれば遠い国々も自然に傾けてきます。”
“じゃ、先生はこれからも力を貸してください。”と、呉王は喜んで言った。